実母ががんで、闘病中です。
闘病歴は9年を越えて、行ってみればベテランのガン患者なんですが、
効く薬がなくなってしまい、期待できそうな治療法もないことから主治医の先生から在宅医療をすすめられました。
母はもともと、主治医から「できるだけ家にいたい」と伝えていて何度も入院しては「明日退院できますか?」と聞いていました。そういう気持ちを知っているから、先生からそういう提案があったんだと思います。
主治医の先生からは
「治療法がないのもあるけど治療はじめて9年、ずいぶんがんばってきたけど体力的に疲れたっていうのもあるよ。腹水と胸水がたまってきているから実は全身の状態はよくないんだよ。。もし家にいて万一のことがあったらボクはすぐに行けないから、そういうときに自宅にさっと来てくれる先生を探しておいたほうがいい。もしものときには死亡診断書を書いてくれる先生がいると安心できる」
と言われました。(母がいないところで)
在宅の先生ってどうやってさがすの?
母が今まで治療してきたのは病院は私立の大学病院。
大きな病院なので、「患者支援室」がありそこで担当の方がついてくれて資料をそろえてくれました。
具体的には
- 近所の往診・在宅医療をしてくれる病院・クリニックを調べる
- その病院にこちらから連絡を入れて現在の主治医から病状について知らせてもらい、受け入れ可能かを確かめます。
- 受け入れ可能の場合は在宅医療の病院の先生とわたしたち患者側が面談をし、往診の回数や料金などについて説明を受けます。
- 双方で合意(契約)をしたら、往診がスタート。
という感じです。
母の場合は、こちらから連絡を入れて受け入れ可能かどうかを確認してもらうところまでは病院の患者支援室にお願しました。
私たちは心当たりの在宅の病院を知らなかったので(ネット検索程度)、どんな雰囲気の病院かを専門の人に確認してもらえてよかったです。
ひとくちに「在宅」といっても、リハビリや生活支援をメインに扱っている病院もあれば腫瘍(ガン)などの病気による終末期ケアをメインに扱っている病院があるようでした。
ガンの終末期について経験のある病院がいい、と探してもらいました。
在宅医療を扱っている病院は実家のある市内に何件かありましたが、地域によって往診不可だったり、なんだかんだいってやはり近いことは優先条件のようです。
ラッキーなことに、実家から歩いて15分ほどのところの在宅医療専門のクリニックがありそこの先生が腫瘍(ガン)のターミナルケアをしているということだったので契約しお世話になることにしました。
在宅医療の費用について
在宅医療の費用は、医療保険を使います。なので点数が決まっています。
これ最初、何のことかわからなかったのですが、ここでいう医療保険は健康保険のこと。
アフラックやメットライフアリコとかの民間の医療保険ではなくて、いつもの保険証を出して診察してもらう保険です。
医療保険(健康保険)なので高額療養費の適用があります。
(支払いの上限があるということです)
実際かかる費用はこんな感じです。
(母のお願いしているクリニックの参考費用です。細かい点は違うのかも。)
費用 | 1割負担 | 3割負担 | |
在宅時医学総合管理料 (毎月の医療情報管理費用) |
42,000円 | 4,200円 | 12,600円 |
往診月2回 | 16,600円 | 1,660円 | 4,980円 |
合計 | 58,600円 | 5,860円 | 17,580円 |
※往診追加1回につき | 8,330円 | 833円 | 2,449円 |
ちなみにこれは、医師の往診の基本料金で、看護師の費用は別です。
また、往診月2回と書きましたが、最低でも月に2回の往診から、ということでした。
それと、投薬は調剤薬局に薬をとりにいくので別料金。 点滴など処置がプラスされた場合も別料金です。
ちなみにもうひとつ、介護保険があります。
これは介護生活をサポートするための国民保険で、わたしたちが40歳になったら払い続けている、アレです。
これについては、のちほど。
往診スタート。在宅医療ってこんな感じ
クリニックによってそれぞれなんでしょうが、母がお願いしている先生は2人セットで来てくれます。 看護師さんではなく、事務スタッフの方です。
契約のときに先生から聞いたのは
- 今の在宅医療は進んでいるので、最後まで自宅で(自宅で看取る)という希望であればそのサポートをする。ガン患者を自宅で看取ることは十分可能だと自分は考えている。
- だけど在宅医療では腹水や胸水を抜くといった外科的な処置は設備がないのでできない。
また、腫瘍マーカーのチェックもできない。 - もしもこのあと急変して、腹水を抜いたほうがいいと判断するようなことがあれば今まで通っていた大学病院を受診し対応してもらうことも可能。連携できるし、状況はこちらから主治医に伝えておく。
痛みが強くなれば薬(麻薬のような苦痛を和らげる薬)を使うことで患者さんが楽にすごせるようにする、ということでした。
終末期の患者さんに対しては腹水を抜くと、危険を伴う(感染症の危険・針を刺すのでそれによって急に血圧が下がることもある)上にすぐ溜まってきてしまうのであまり勧めず、緩和ケアをしていくことが多い。とも説明がありました。
在宅の先生も大変親身になってくださり、心強い限り。
とうあいうものの、まだ母が元気なので具体的に想像すると怖くなっちゃって、ビクビク・ドキドキしながら話を聞きました。
長年お世話になっている大学病院の主治医の先生は本当~~によい先生で、この先生と看護師さんのおかげで母は命拾いしたと思っています。
主治医の先生は在宅医療をすすめはしてくれましたが、
家で看取るってのは本当に大変なんだよ。 いっしょに暮している人に負担がかかるから。
お父さんと二人なんだったらお父さんが倒れないようにしてあげて。
それと、大変になったら遠慮せずに病院に連れてきてね。
病院でも気持ちにそうようにできるから(延命治療をしないという意味)
ともアドバイスくれました。結構泣ける。
在宅医療・家で看取るというのが美談になりがちだけど実際は大変なんだろうなと・・・ でも何かあったら病院に相談もできるっていうのは大変心強い!ですよ~・・